世の中の『悪事』は誰によって成されるのか?
今日は、『悪の陳腐さ』について綴っていこうと思います。
これは、私のお気に入りの本である『武器になる哲学』に書かれたお話で、すごく興味深かったので紹介したいと思います。
『武器になる哲学』はこちら↓↓
武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50
- 作者: 山口周
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/05/18
- メディア: 単行本
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『悪の陳腐さ』について書いたハンナ・アーレント(政治学者/哲学者)は、『悪事は思考停止した凡人によってなされる』と言っています。
この本を参考に私的見解も踏まえながら、どういうことなのか、具体例をあげて見ていきたいと思います。
<目次>
【ケース1】ユダヤ人迫害の悲劇
歴史的にも有名なドイツで起こった「ユダヤ人への迫害」
これを推し進めたのは、これまた有名な独裁者の「ヒトラー」
これだけ見ると、この悲劇を引き起こしたのは誰でもない「ヒトラー」自身によるものだと考えがちですが…
『実際に迫害を行ったのは誰か?』
『実際にユダヤ人を惨殺したのは誰か?』
と考えてみると…
それは、当時のドイツ人はもちろん、ヒトラーの支配下にあった組織の人々、。
それは紛れもない『普通の人(凡人)』
ヒトラーの強烈な演説とカリスマ性によって、社会のシステムにのまれ冷静な判断力を失い、淡々と悪事を成してしまったのです。
【ケース2】毒親の場合
「親が毒親だと、子供も毒親になってしまう」とよく聞きますが…
私的には、多分それって『親と闘うことを諦めてしまった子供』なんだと思うんです。
私の親も『毒親』と呼ばれる分類で、私はそれにのまれまいと常に闘っているつもりなのですが、、
これが…
「あぁ…もうめんどくさい。親の言う通りでいいや」
「ああ、もう嫌だ。反発しても無駄無駄!」
と諦めてしまったとき。
悪は子供に伝染します。
親子という切っても切り離せない関係だからこそ、一個人としての判断力を失い、「親が言うから…」と徐々に徐々に染まっていく…。
そしてその子供も、将来自分の子供に対して「悪」を振りまくことになる。
【ケース3】政治の場合
「すぐ忖度します」で一躍有名(?)になった方がいましたが、あの方も「悪になった凡人」の例だと思います。
権力というものを前に、自分の中にある「本当にこれは良いことなのか?」という判断能力を無くしてしまった。
人間誰しも最初は『正しく』生きたいと思っているはずなのに、権力や人との関係性によって、考えることをやめ、システムに乗り、楽な道に進んでいく。
悪事を働くのは誰か?
世の中には、色々な悪が潜んでいます。
社会的な悪。倫理的な悪。
ユダヤ人迫害の歴史的悲劇もちろん、政治の現場では、闇深い出来事が常に起こっていますし、家庭内でも暴力や虐待が横行しています。
それらの悪はみな『普通の人(凡人)』によってなされているのです。
そしてその人達はみな『自分で考えることを辞めた(思考停止した)人々』。
悪事をするのは『凶悪犯』『恐ろしい人』というようなイメージがありますが…。
実際は、『隣で笑っている人』が悪に手を染めていることだってありうる。
悪は決して遠くのものではなく、自分を常について回っているものなのだと分かりますね、。
考えることをやめてしまった人間には、『自分』というものがない。
そうなると、人の意見に流される。
人の言う通りに動いてしまう。
そうして悪は簡単に伝染する。
考えることをやめてしまった途端、善悪の判断ができず、人に流され、時に戻れない闇に落ちてしまう。
そう思うと、私たちは常に考えることを辞めてはいけないし、常に闘っていかなければならないのですね、。
それが『悪に染まらない唯一の方法』であり、『悪の広がりを防ぐ唯一の方法』だと思います。
まとめ
今日はお気に入りの本『武器になる哲学』から『悪の陳腐さ』のについて書いてみました。
私自身も、考えることをやめずに、常に自分というものを持って生きていきたいです。
それでは!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました ´ω`)ノ